この記事を書いた理由
私は、みかん・レモン・シークワーサー・柚子・ライム・オレンジを、ものによっては数品種(早生や中生、人気品種等)植えていますが、柚子以外に隔年結果が起きたことが無く、隔年結果については気にしたことは無いのですが、剪定などの管理方法を共有する事で、隔年結果に困ってる方の手助けになればと思いました。
この記事は、2015年に書いたものを、2023年に加筆・修正しておりますので、長い期間をかけて検証が出来ております。
柑橘類の隔年結果について
柑橘系は、成り年(表年)と不成り年(裏年)を交互に繰り返す性質がある事は知っていましたが、ここまで顕著に実が付かないのは、柚子だけです。
詳しく調べてみると『農山漁村文化協会』様のサイトに、成り年(表年)と不成り年(裏年)が発生するメカニズムとその対策(剪定)が公開されていましたので、引用させて頂きます。
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カンキツ類には果実の成り年(表年)と不成り年(裏年)を交互に繰り返す性質をもつ種類が多くあります。
その性質を隔年結果性といいますが、ユズはその性質が強い種類の1つです。
したがって、隔年結果性が強く現れるような管理を一旦してしまうと一気にそれを軽減することは難しいこととなります。
隔年結果を示す理由はカンキツ類の結果習性に起因します。
カンキツ類の結果習性は、前年に伸びた新梢の先端部の葉の付け根(葉えきといいます)に花芽ができますが、 前年果実がついた枝の葉えきの芽には花芽がつかず、果実がつかない枝だけが伸びる芽をつけます。
一方、果実がつかなかった枝には花芽が形成されます。したがって、成り年の翌年は花芽のついた枝が少なく、 不成り年となり、不成り年の翌年は花芽のついた枝が多くなるので成り年となります。
カンキツ類には春枝、夏枝、秋枝と呼ばれる枝があります。
春に伸びてその伸長を停止した枝を春枝といい、 夏に春枝の先から再び枝が伸びだしてその伸長を停止した部分を夏枝といい、さらに秋に夏枝の先から再び 枝が伸びだしてその伸長を停止した部分を秋枝といいます。春枝は良質な花芽をつける枝(結果母枝)となります。
したがって、多くの春枝を毎年確保できれば毎年果実をならせることができるわけです。 しかし、そううまくいかないのが実際であり、それを剪定によってある程度調節、矯正するわけです。
まず、剪定時期は3月(カンキツ類の一般の剪定時期)で、遅くとも発芽前には終わらせましょう。
剪定方法は、前年が不成り年(今年は花芽のついた結果母枝が多く成り年となる)には、前年に伸びた夏枝を 切り取る、または秋枝がある場合は夏枝の中間から枝を切り取るという、ハサミを使う切り返し剪定を主体として 次の年の結実のために良質の結果母枝(予備枝といいます)の発生を促します。
この切り返し剪定を行うことは、多すぎる花芽の数を減らす意味も含まれます。 反対に、前年が成り年(今年は花芽のついた結果母枝が少なく不成り年となる)には、ハサミを使う剪定を行わず、 のこぎりを使い、枝の込み入った部分の間引き剪定(枝の分岐部から枝ごと切り取る切り方)を中心に行い、花芽を 確保します。
ただし、間引く枝の数が多くなることは、花芽のついた枝を切り落としてしまうことにもなりますので、あくまでも込み 入った部分の間引き剪定を行うことにより樹の内部にまで日光が十分入れるようにするという意味で行います。
日光は良質な枝の発生や花芽形成にとても重要です。また、枝が込み入っていると風通しが悪くなり、病気も発生 しやすくなります。
ところで、果樹を長年にわたって栽培するということには、樹形が非常に重要となります。
樹が立つ(竹ぼうきを逆さまにした状態)と枝が生長するばかりでなかなか連年にわたって花芽を着けてくれません。 したがって、開心形という樹形に仕立てる(整枝する)必要があります。
すなわち、骨格枝(主枝、亜主枝)を開いて、 樹の中心に骨格枝がない(心抜きといいますが)状態の樹にする必要があるのです。
そうすれば樹の内部にまで日光が入りやすくなりますし、樹高も低くなるので、管理もしやすくなります。
狭いところではそのような樹形をつくることは難しいかもしれませんが、樹が立った状態ですと、樹の中心の管理が できなくなってしまいます。
それでは樹が立った状態から開いた状態にするには、誘引という管理が必要となります。
誘引は剪定時期と同時期に行います。いわゆる枝を寝かせるということで、枝を下方に引っ張って下げることです。
ただし、太い枝を誘引させることは枝を折ってしまう(または裂けてしまう)心配がありますので、折れない程度に、 無理に引っ張ることだけはやめて下さい。
成木の姿は、理想的には樹の占める部分を上から見ると円と考え直径が 3m程度、高さが3~4m程度にしたいものです。
立った樹から開心形にすることは1年ではできません。 5~6年かけて徐々に行うことがよいでしょう。
なお、切り返し剪定を行うときは切り口直下の芽の位置が重要で、 樹の中心の方に向いていると発生した枝は勢いよく内側に生長する(日当たりが悪くなり、花芽もつきにくくなる) ので、外側を向いている位置とします。
伸びる枝の方向と強さは、切り方によって決まってしまいます。
また、枯れ枝を放置すると病気の発生につながりますので、枯れ枝は丁寧に元(枝の分岐部)から切り除きます。
さらに、成り年には当然結果過多となり、そのことが隔年結果性を強める原因ともなるので、成らせるだけ成らすの ではなく果実の数を少なくする摘果も成り年には特に重要な管理となります。
農山漁村文化協会出版「ユズ 栽培から加工・利用まで」は、ユズの栽培全般を分かりやすく解説しています。
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