2015年9月2日水曜日

榊(サカキ)苗の選び方


本榊の基本情報

本榊は、モッコク科サカキ属の「榊」の事を指しますが、サカキ、ヒサカキ、シキミ、アセビ、ツバキなど、神仏にあげる常緑樹の総称を「サカキ」と呼んでいたこともあり、明確に区別するために「本榊」とか「真榊」と呼ばれるようになったそうです。

※ちなみに植木の町である私の地元では、普通に「榊」としか呼ばず、本榊とか真榊と言う人は居ません。

買って後悔する苗が多く存在する

『本榊』は、神様にお供えする樹木として切り葉も年中販売されていますし、しょっちゅう購入するなら、いっそ庭に植えておこう!と苗木を購入される方も非常に多くなった樹木です。
しかし、『本榊』を購入して植えてみたものの、お供えで売られてある様な綺麗な緑の葉にならず、お供えに使えない...と嘆いてる方も多いみたいです。


その原因は何故か?

じつは『本榊(ホンサカキ)』は、挿し木と種蒔きで増やす事が出来ます。
植物の事に詳しい方にとっては当たり前の事ですが、種蒔きで増やすのは簡単ですが、種で増えた苗は交雑種なので元の苗と同じにはなず、基本的には専門用語で『赤芽』(葉が赤くなり易い)になることが多いです。


青い葉の苗を買うためには?

一方、葉が青い苗を選抜した『青芽』から挿し木で増やした苗は、確実に『青芽』(葉が赤くなり難い)になります。
これは、植物に詳しい人には当たり前の事ですが、挿し木や接ぎ木で増やした苗は親の性質を受け継ぐので、優れた青葉の榊を育てたい場合は、青葉から挿し木で増やした苗を購入する必要があります。

※業界では、青い葉の選抜苗は、通称「青芽」と呼ばれてますので、業者に「青芽の榊」と言って注文すれば、青い葉の榊が購入できるはずです。
トップの写真で、上が実生の本榊。下が青芽(挿し木)の本榊です。
若葉の色が全然違う事は、素人でも分かるレベルかと思います。


補足

実生(種から育てた)の『本榊(ホンサカキ)』でも、日陰で育てれば葉は殆ど赤くはなりませんが、強い日差しや寒さで葉が赤くなりやすい傾向が強いです。
青芽の『本榊(ホンサカキ)』は、多少陽が当る所でも寒いところでも、綺麗な緑の葉を保つ傾向が強いです。

ただ、あまりにも寒かったり、日差しが強すぎたりする場合は、赤くなることもありますので、多少は管理に気を付けて頂きたいです。


その他

榊は花が咲き、やがて種を付けます。種が付かないものを望む方もいらっしゃいますが、品種改良が進めば出てくるかもしれませんが、現時点ではそれは難しいかと思います。
葉と葉の間隔、節関が均等にするためにはどうしたらよいか?等の質問を頂いた事もありますが、新芽の時期に肥料を効かせないなど、成長を穏やかにさせるくらいしか方法は無いかと思います。

何か方法をご存じの方がいらっしゃいましたら、是非コメントで教えてください。

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