2017年12月24日日曜日

ブルーベリー 品種特性データ



流通量が多い品種に絞って、ブルーベリーの品種の特徴を紹介しています。
久留米市田主丸町の『大塚ナーセリー』様の情報を基に、沢山のブルーベリーを栽培している私の感想を、加筆・修正しております。

ラビットアイ系

品種名 収穫期 糖度 果粒 生産性 樹勢 特徴 開花
プレミア 6/中~7/中 3 ラビットアイ系の極早生品種。ハイブッシュ系の早生品種に続く完熟期を持ち、大実で味もハイブッシュ系よりも美味しい。
クライマックス 6/中~7/中 16度 3 ラビットアイ系としては、最早生品種のひとつで、多くの果実が一斉に熟期を迎え同時収穫が可能。豊産性で糖度が高く美味しいが、長雨による裂果には注意が必要。
ブルーシャワー 7/初~7/末 12度 2 極強 土壌の適応範囲が広く、強健で育てやすい大粒品種。初心者にお勧めだが、ブルーベリーの中では最も、種のジャリジャリ感が気になるので、個人的にはお勧めしない。 極早
ブルーベル 7/初~7/末 13度 3 収穫期が長く、熟期の粒揃いが良い。市場出荷より摘み取り園に向く品種。幼果の濃いピンク色は鑑賞的価値が高い。
ブライトウェル 7/初~8/中 15度 5 ティフブルー×メンデイトの交配種。高品位な果実品質を持ち、プレミア、フェスティバルと並び、ラビットアイ系の中心品種と期待されている。完熟期のシビアな判断が必要無いので、入門品種にもお勧め。
ウッタード 7/初~7/末 12度 中大 3 初期の果実は非常に大粒だが、収穫後期は粒揃いが悪くなる。収穫初期の完熟した大粒果は極めて美味で、意外と1番好き!と言う人も多い品種。
ボニータ 7/中~8/中 13度 3 果肉が硬く、過熟になっても、実の軟化が少ない品種。完熟判断の難しい品種。
コロンブス 7/中~8/中 15度 3 酸味少なく、甘味が強い品種。耐寒性は、ラビットアイ系としては弱い。種のザラザラ感を感じにくく、サザンハイブッシュ系果実に似た食感。
ベッキーブルー 7/中~8/中 17度 4 高糖度で種子の少ない品種。市場出荷にお奨め。姉妹品種のアリスブルーとの受粉不親和あり。
アリスブルー 7/中~8/中 17度 3 ブルーム(果実が自分を守る為に出す白い粉)が極めて多く、丸い果実が美しい品種。高糖度で市場出荷におすすめ。毎年適度な剪定が必要。姉妹品種のベッキーブルーとの受粉不親和あり。
オースチン 7/末~8/中 15度 3 収穫初期の大きな果実は、種が気になるのでジャム加工に向く。後半のこぶりになった果実は、糖酸のバランスがとれ、サザンハイブッシュ系に似た高品位な果実品質。 完熟判断の失敗が少なく、摘み取り園での評価が高い品種。
ブライトブルー 7/末~8/中 13度 4 エッセル×キャラウェイの交配種。ラビットアイ系としては、比較的完熟前の酸味が強い大粒品種。貯蔵性、輸送性に優れる。
メンデイト 7/末~8/末 16度 中大 3 果皮色は黒く、外見が良くない。甘味が非常に強く、摘み取り園ではとても人気の品種。果実のイメージは大粒なホームベル。
ホームベル 7/末~8/末 15度 小中 5 極強 1950年発表の古い品種で、土壌適応範囲が広く、最もポピュラーで強健な品種。育てやすく、入門品種や接木の台木にも使われるが、完熟判断の失敗が少なく、摘み取り園での評価は高い。
ティフブルー 7/末~8/末 14度 5 エッセル×クララの交配種。ブルーベリーの中で最もポピュラーで、強健な古い品種だが、完熟果はノーザンハイブッシュ系に匹敵するレベルと評価される優等生。
デライト 7/末~8/末 15度 2 ラビットアイ系の未熟果は、酸味が強く収穫時期の判断が難しいが、この品種は誰でも収穫が可能。
グロリア(T142) 7/末~8/末 17度 2 果実の外観が美しく、収穫初期から酸味が少なく、甘味が強い品種。市場出荷にも摘み取り園にもお奨めできる。高品位な果実。
ガーデンブルー 7/末~8/末 16度 小中 3 豊産性で、甘味の強い品種。やや小粒の為、ケーキやパンなどの加工向けに人気の品種。抗酸化作用物質の含有量もトップクラス。
ノビリス 7/末~8/末 16度 2 大粒で美味しく、皮がしっかりしてるので潰れにくく、パック詰めでの出荷にも向く。樹形が荒れやすく、苗として作りにくいのが欠点。
アイラ 8/初~8/末 - 中大 - 収量多いが、アメリカでは雨にあたると裂果がみられると記載もある。
フェスティバル 7/初~7/末 14度 3 独特な香りがあり、ラビットアイ系トップクラスの高品位な果実。樹勢が強く栽培しやすい大粒品種。
オンズロウ 8/初~9/初 - 中大 3 収穫後の品質低下が少なく、日持ち性に優れる。酸・甘のバランスが良く、果実品質は良好。耐寒性に優れ、土壌適応範囲も広い(高ph土壌にも強い)品種。
パウダーブルー 8/初~9/中 17度 4 メンデイト×ティフブルーの交配種。甘味強く、裂果が少なく保存性にも優れる。ティフブルーと相互受粉樹として、親和性が良い。 9月まで完熟させるとハンパなく美味。
バルドウィン 8/初~9/中 14度 5 1985年発表。ティフブルー×GA6-40の交配種。樹勢強く耐病性にも優れた品種。結実率がよく極豊産な中~大粒種。
果実が柔らかいので、パック詰めには向かず、個人用か摘み取り園向き。
ヤドキン 8/中~9/中 - 中大 - - 1997年発表。香りが良く、風味良好。収穫後の日持ちも良い。自家和合性は高いが、他家受粉で成熟が早まる。

サザンハイブッシュ系

品種名 収穫期 糖度 果粒 生産性 樹勢 特徴
オニール 5/末~6/末 13度 4 大実で暖地適応性があるサザンハイブッシュの代表品種で、その中でも、最早生種の一つ。 収穫初期から酸味少なく甘くてジューシーな果実品質だが、酸味が少ないが故、味に深みが無く、舌が肥えて来ると物足りなさを感じる。
リベール 6/初~6/末 13度 3 暖地適応性があるサザンハイブッシュ系。パリッとした食感。口中に広がる香りと最高の糖度。未熟果でも酸味が少なく美味。蕾だけでなく、開花後も桃花の品種。雨による裂果が目立つ。
サンプソン 6/初~6/末 13度 4 果実は甘味が強く高品位でブルームが多く、外観的に美しい。 樹形が乱れやすく剪定や誘引等で樹形を整える必要がある。待望の南部ハイブッシュ極早生系大粒品種。
ブラッデン 6/初~6/末 14度 3 ピンクの花が咲く品種。果実品質が高く、果実を噛んだ時「パリッ」とした食感を味わえる。収穫初期から酸味が少なく甘味が強い。雨による裂果はサザンリベールより少ない。
ニューハノーバ 6/初
~6/末
14度 - 果実は硬く、甘味と酸味のバランスが良い高品位な食味。待望の正統派早生大粒種。
シャープブルー 6/初~6/末 14度 5 早生の品種としては、土壌の適応性に優れ、中級者にもお勧めの品種。大粒果は期待できないが、豊産で甘味が強い果実。摘み取り園の他パンやお菓子などの加工向けにもお勧めできる。
ビロキシー 6/中~7/中 14度 3 輸送性や貯蔵性を重視し開発された品種。中粒ではあるものの、香りや果色がよく、締まった果肉を持つ高品位な果実。
ミスティ 6/中~7/中 13度 3 果粒の大きさ、果実品質共に非常に高品位で粒揃いもよい。結果過多の傾向も強いので樹勢の維持など注意が必要。 常緑性が強く暖地では落葉しない年もあり、ハウスでの促成栽培の可能性が期待できる品種。
ブルーリッジ 6/中~7/中 12度 3 果実のブルームが多く外観的に美しい。また独特な風味を持つ総合的に優れた品種。
ジョージアジェム 6/中~7/中 13度 2 樹勢が強く、豊産で安定した収量が期待できる品種。摘み取り園やパン、お菓子などの加工にお勧めの品種。
ダップリン 6/中~7/中 14度 3 本品種ができたアメリカでは、多収量と加工した時の香りの良さで人気の品種。ジャム・ワインなどに最適。
マグノリア 6/末~7/末 13度 4 サザンハイブッシュ系としては、株自体が強健な品種。果実は硬く非常に締りがあるため、輸送性と貯蔵性については同系統トップクラス。
サンシャインブルー 2 開張性で背が高くなり難い品種。ピンクの花が可愛く、観賞用として人気だが、果実の方はオマケ程度と感じる。
アーレン 6/末~7/末 12度 - ブルーベリーを代表する桃色花品種。株がコンパクトになるため、ガーデニングなどオーナメンタルとして扱われることが多いが、果実品質は高い。
デキシーブルー 6/末~7/末 - 中大 -
ガップトン 6/末~7/末 13度 中大 - 果皮が硬く、裂果しないので、アメリカでは機械収穫が容易のようである。
サミット 6/末~7/末 12度 3 ブルームが非常に多く、大粒で外観的美観に優れた品種。収穫初期には酸味が強いが完熟果では、甘酸のバランスがとれた高品位な果実。輸送性、貯蔵性に優れる。

ノーザンハイブッシュ系

品種名 収穫期 糖度 果粒 生産性 樹勢 特徴
アーリーブルー 6/初~6/末 13度 2 裂果や落果もほとんど無く、甘酸の調和がとれた味。香りや風味もあり高品位な果実品質。適応地域が狭く感じられるため、試験導入をお勧めする。
デューク 6/初~6/末 12度 5 極早生で大粒。輸送、保存、食感。全てに◎。極早生品種としては、比較的栽培も容易。まだ市場でもブルーベリーを見かけない6月にその食感を。
スパルタン(R) 6/初~6/末 14度 極大 2 果実の大きさは最大級。収量は多くないが、収穫期を通じて粒揃いが良い、小粒化しにくい。とても魅力的な食味のよい品種で根強い人気がある。500円玉サイズも夢ではない。
ヌイ(R) 6/初~6/末 12度 特大 3 ニュージーランドで育種され暖地適応性が強く、チャンドラーに次ぐ大粒。色づいてすぐの方が酸味あって美味しい。時期が過ぎて果熟になると酸味がなくなって、「ボゲ」た味になるので、見つけたら早めに収穫。
プル(R) 6/初~6/末 12度 中大 4 ニュージーランドで育種され暖地適応性が強い豊産性品種で、食味と香りは抜群。少々赤見が残っていても酸味少なく、マイルドな味わい。
エチョータ 6/初~6/末 14度 4 ンノーザンハイブッシュ系に分類されるが、厳密にはサザンハイブッシュ系とノーザンハイブッシュ系の交配種で、耐暑性がとても強く、沖縄でも育つハイブッシュ系の異名を持つ。早摘みすると酸味が強いが、完熟した果実の味は、非常い美味。果皮がしっかりしていて、貯蔵性や輸送性に優れるため、出荷用に最適。
ハリソン 6/初~6/末 11度 3 ノーザンハイブッシュ系には珍しい暖地適応性。宮崎でも育つ極大粒早生品種でフレッシュな味わい。開張性が強いため剪定誘引などで樹形を整えると良い。
チップブルー 6/中~7/初 13度 4 ハリソンの兄弟品種。果実はブルームが豊富で外観的美観に優れる。また収穫初期は酸味が高めだが、完熟すると酸味と甘味のバランスがとれた味になる。斑点病が入りやすい傾向が見られる。
ブルークロップ 6/中~7/初 14度 中大 5 ノーザンハイブッシュ系を代表する標準品種。食味、生産性、果実サイズ等、実績と信頼性があり欠点が少ない総合的に優れた品種。
シエラ 6/中~7/初 14度 3 比較的土壌適範囲が広く生長も早いが、結果過多の傾向がみられるため若木での収穫を避ける。果実は酸味が強めで素晴らしい香りを持つ。
ブルーレイ 6/中~7/初 - 4 果実は裂果が少なく、大粒で粒揃いが良く、完熟果の食味は甘味と酸味のバランスが抜群。さらに上質な香味も持つ高品位な果実品質。但し、完熟前には強い酸味を持つため、美味しい完熟時期の見極めには経験が必要。
レガシー 6/中~7/初 11度 特大 4 ノーザンハイブッシュ系に分類されるが、厳密にはサザンハイブッシュ系とノーザンハイブッシュ系の交配種(ハイブリッド系)で、とても育てやすい品種。大粒の果実を特徴とする品種だが、酸味が少なくマイルドな味。
ボーナス 6/中~7/初 11度 特大 2 大粒の果実を特徴とする品種だが、酸味が少なくマイルドな味。
バークレイ 6/中~7/中 13度 3 比較的果粒が均一で大実。樹勢が強く成長が早いので、初めて栽培するノーザンハイブッシュ系の品種としては最良。果実は柔らかめで甘味が強くジューシーな食味のため摘み取り園にお勧め。過熟果では食味が劣る。
デニース 6/中~7/中 15度 - 樹が健強で育てやすい。果実はジューシーで酸味が少なく、甘味の強いとろけるような食感を持つ。摘み取り園など積みたてを味わいたい品種。
チャンドラー 6/中~7/中 11度 極大 4 果粒の大きさは全ブルーベリー中、最大クラス。ただし、巨大果を結実させるためには、剪定、摘花、摘果が必須。
コビル 6/中~7/中 12度 3 収穫初期に大粒果が多い品種。早摘みすると酸味が強いが、完熟した果実の味は、まさに「通」好み。
エリザベス 6/中~7/中 15度 2 北部ハイブッシュの中では、非常に生育が良い。果実大きく、やや酸味は強めだが完熟すると、甘味とのバランスのとれたコクのある美味しい果実が堪能できる。
ブリジッタ 6/末~7/末 13度 4 果実はよく締まり、果柄痕が小さく、貯蔵性や輸送性に優れる。樹勢も強く、豊産性で、甘酸調和もよく食感にも優れた品種。
ダロウ(R) 6/末~7/末 13度 特大 2 ブルーベリーを代表する極大粒品種。収穫初期は酸味が強いが完熟した果実は非常に美味。あえて完熟前に収穫して酸味のあるジャムや料理のソースなで幅広い用途にもオススメ。
デキシー 6/末~7/末 12度 3 樹勢が強く大株になる。収穫初期の大粒果は魅力的。食味にも優れ摘み取り園での評価は非常に高が、粒揃いが悪く、収穫後期は大粒果が少なくなる。

ハイブリッド系

品種名 収穫期 糖度 果粒 生産性 樹勢 特徴
ピンクレモネード 6/中~7/中 - - - ピンクの果実が強烈なインパクトの品種で、『ピンクだから酸っぱいのかな?』と思って食すと、普通に甘くて美味しく、見た目的にケーキやデザートのトッピングにも向くので、今後、爆発的に広がって行く品種だと確信しています。

表中に『糖度』の表示があるものも多いですが、『糖度』と言うのは、厳密に言うと『brix糖度』と言われるもので、水分中の不純物で光が屈折する原理を使った『屈折計』であり、果実中の糖分とは異なります。
例えば、10%濃度の砂糖水と、10%濃度の食塩水を糖度計で測定した際には、どちらもほぼ10%になるので、あまり気にせず、実際に食べた人からの感想を信じた方が間違い無いです。

大手計測器メーカーのサイトでも、同じような解説があります。
出展:メカトロニクス様

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